いつまでもハリのあるお肌に

1.肌のハリとは

そもそも肌にハリがある状態というのは、どのような状態でしょうか。

ハリのある肌とは、ピーンと肌が張っていてみずみずしさと弾力があり、若々しく見える状態です。

肌のハリが失われると、皮膚がしぼんだ様に垂れて肌のたるみやシワなどのエイジングサインが目立ちやすくなり、若々しさがなく、老けて見えてしまいます。

これは肌のハリが失われることによって重力に耐えきれず、肌が下がってしまうために起こる現象です。

私たちの肌には、「表皮」と「真皮」という部分があり、表皮は角質層などを含む肌の一番上にある皮膚で、真皮は表皮の下にある肌の土台のような役割を持ちます。

2つのうち、肌のハリに大きく関係するのは、「真皮」です。

真皮の中に「コラーゲン」や「エラスチン」、「ヒアルロン酸」という成分があり、この成分が網目状に張り巡らされることによって、肌の弾力をキープしています。

そして、それらの成分を生み出す役割を持つのが「繊維芽細胞」です。

・コラーゲン・・・真皮層の約70%を占め、肌の弾力を支えている成分

・エラスチン・・・コラーゲンをつなぐ役割を持つ成分

ヒアルロン酸・・・コラーゲンとエラスチンの間を埋めるゼリー状の成分

つまり、肌のハリとは、繊維芽細胞によって生み出されたコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などによって支えられる肌の弾力のことです。

すこやかな肌や若々しい印象に見せてくれるために欠かせない、理想の肌の要素のひとつになります。

2.肌のハリが失われる4つの原因

では、肌のハリが失われる原因は、一体なんなのでしょうか。

その原因は主に4つあると言われています。

まずは原因を知っていきましょう

2-1.加齢によるコラーゲンの減少

肌のハリは前述した通り、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの成分によって支えられている肌の弾力のことです。

しかし、年齢を重ねるとコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生み出す繊維芽細胞の数が減ったり、働きが衰えたりすることによって生成量が減少してしまうと言われています。

すると、肌のハリをキープするために必要な成分である、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの量が減ってしまいます。

その結果、真皮は弾力を失い、表皮を支えることが難しくなり、肌のたるみやシワの主な原因となるのです。

2-2.乾燥

肌が乾燥しているとゴワゴワと肌が硬くなり、ハリツヤがなく、老けて見えやすいです。

肌の角質層で保持できる水分量は年齢と共に減少していくと言われており、加齢と共に乾燥しやすくなります。

また、乾燥した肌には古い角質なども蓄積しやすくなります。

すると、潤いを与えるための化粧水や美容液などが角質層まで浸透しづらくなってさらに乾燥し、肌のハリを感じられないという悪循環になりやすいです。

2-3.紫外線

紫外線を浴びると、真皮にある肌のハリを保つ成分であるコラーゲンやエラスチンが変性・劣化し、肌の弾力をキープすることができません。

紫外線によるダメージは毎日蓄積されていき、たるみやシワなどのエイジングサインとして、徐々に肌に現れます。

また、紫外線は繊維芽細胞にも影響を与えるので、肌のハリを保つ成分を生み出すことができず、肌のハリが失われる原因のひとつとなります。

2-4.表情筋の衰え

肌のハリは、表情筋が衰えた場合にも失われ、老けて見えてしまいがちです。

皮膚全体を支えるベースである筋肉を使わないと、皮膚を支える力が弱まり、たるみやシワの原因となります。

とくに目元や口元のたるみの原因となりやすいのが、目の周りの眼輪筋と口の周りの口輪筋です。

3.肌にハリを与える5つの方法

こちらでは、肌にハリを与えて、すこやかでハリツヤのある肌を目指すための方法について紹介します。

3-1.ハリ肌を目指す①:保湿成分やエイジングケア(※)成分配合の化粧品で保湿する

乾燥が原因で肌のハリが失われた場合には、保湿成分やエイジングケア(※)成分が配合された化粧品を選び、保湿をすることが大切です。

肌が乾燥していると肌のハリが失われて、ゴワゴワと肌が硬くなり、老けて見えやすくなります。

そのため、日頃から肌に潤いやハリツヤを与える保湿成分やエイジングケア(※)成分が配合された化粧品を使って、きちんと保湿をするようにしましょう。

保湿成分やエイジングケア(※)成分が配合された化粧品を選ぶポイントは、パッケージや商品名などのイメージだけでなく、配合成分を確認することです。

そして、これらの美容成分は美容液で取り入れることをおすすめします。

なぜなら美容液には、有用成分を凝縮して配合しやすいと言われているからです。

美容液を使うことで、より効率的にハリツヤのある肌を実感することが期待できます。

保湿成分とエイジングケア(※)成分の一例を下記にご紹介するので、美容液を選ぶときの参考にしてみてください。

<エイジングケア(※)成分の一例>

・ビタミンC誘導体

(表示例:テトラヘキシルデカン酸アスコルビル・ステアリン酸アスコビル・・パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na等)

・ナールスゲン(表示例:カルボキシメチルフェニルアミノカルボキシプロピルホスホン酸メチル等)

・白金ナノコロイド(表示例:白金(プラチナナノコロイド))

・エラスチン(表示例:加水分解エラスチン等)

ナイアシン(表示例:ナイアシンアミド等)

・レチノール(表示例:レチノール・パルミチン酸レチノール・酢酸レチノール等)

※レチノールは日光に当たるとあまり実感できなくなると言われているので、夜のお手入れに使用するのがおすすめです。

※年齢に応じたハリや潤いを与えるお手入れ

<保湿成分の一例>

セラミド(セラミド+数字、又はセラミド+アルファベット表記)

(表示例:セラミド1・セラミド2・セラミド3/セラミドEOP・セラミドNS・セラミドNP)

ヒアルロン酸(表示例:加水分解ヒアルロン酸ヒアルロン酸Na)

・エラスチン(表示例:加水分解エラスチン)

・プロテオグリカン(表示例:水溶性プロテオグリカン)

グリセリン

3-2.ハリ肌を目指す②:ピーリング洗顔

ピーリング洗顔をおこなうことによって、肌を清潔に保ち、すこやかな肌を目指しましょう。

ピーリング洗顔とは、専用の洗顔料を使って肌に蓄積した古い角質などを洗い落とす洗顔方法です。

古い角質が蓄積した肌はゴワゴワと肌表面が硬くなり、化粧水や美容液などが角質層まで浸透しづらい状態です。

また、肌が硬くなって弾力が失われているため、ハリツヤをなかなか感じられません。

そのため、ピーリング洗顔をスキンケアに取り入れて、蓄積した古い角質を洗い落とし、肌をやわらげることが大切です。

ゴワゴワと硬くなった肌をやわらげて、化粧水や美容液が角質層のすみずみまで浸透するハリツヤのある肌を目指しましょう。

3-3.ハリ肌を目指す③:紫外線対策

肌のハリを保つためには、きちんと紫外線対策をすることが大切です。

紫外線は肌のハリツヤを失わせるだけでなく、くすみやシミ、乾燥などさまざまな肌悩みの原因となります。

そのため1年を通して紫外線対策をおこなうことは、すこやかな肌を保つうえで、欠かせません。

外出時はもちろん、在宅中も季節を問わず、しっかりと日焼け止めを塗って1年中紫外線対策をしましょう。

日焼け止めは、「SPF」の数値が肌に赤みが出るまでの時間を表し、「PA」の+の数が紫外線防止力の高さを表します。

そして日焼け止めは、UVカット数値が高いものを使ってさえいれば良いというわけではありません。

UVカット数値が高くなるのと比例して、肌への負担も大きくなると言われているので、シーンに合わせて使い分けることが大切です。

また、きちんと使用量を守りながら、2~3時間ごとにこまめに塗り直すことも紫外線対策のポイントです。

最近では紫外線だけでなく、スマホやパソコンなどのブルーライトもカットしてくれるUVケア商品も出ているのでチェックしてみてください。

3-4.ハリ肌を目指す④:顔の体操で表情筋をアップ

肌のハリは、表情筋が衰えることが原因で失われる可能性があります。

表情筋を鍛える体操を毎日の習慣にして、ハリのある肌を目指しましょう!

口周りの筋力の衰えを鍛えるのにおすすめのエクササイズです。

エクササイズをおこない、肌のハリを支える表情筋を鍛えて、たるみやシワを予防して理想の肌を目指しましょう。

①大きな口をあけて、10秒間「あ」を発音する時の口の形をキープします。

②次に「い」を発音する時の口の形をできるだけ横に大きく引きます。

「あ」のときと同様に10秒間キープしてください。

③最後に「う」を発音するときの口の形を10秒間キープします。

これを1セットとして、1日5回おこなうようにしましょう。

<ペットボトルエクササイズ>

ペットボトルを使った顔の筋肉を鍛える簡単なエクササイズです。

①ペットボトルに水を少し入れる

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500mlのペットボトルに1~2センチくらいの高さまで水を少量入れます。

最初は水を入れずに空の状態で始めるのも良いでしょう。

慣れてきたら少しずつ水の量を増やしてみてください。

ただし、重すぎるとあごの関節を痛めてしまう場合があるので、多くても1/3くらいまでの水量にとどめておきましょう。

ペットボトルを落とした場合にも水がこぼれないように、蓋は閉めておきます。

②唇で咥えて10秒キープする

ペットボトル体操

歯を使わずに唇だけを使って、ペットボトルの口部分を咥えます。

そのままペットボトルを持ち上げて10秒キープしましょう。

これを3セット行ってください。

※あごの関節に痛みがある方や、エクササイズで関節に痛みを感じた場合などには控えるようにしましょう。

3-5.ハリ肌を目指す⑤:肌にハリを与える食事

肌の老化の原因となる活性酸素を除去するといわれている「抗酸化物質」が含まれる食品を積極的に摂りましょう。

皮膚の中には、もともと抗酸化物質があり、紫外線によって生み出された活性酸素を除去しています。

しかし、これらの抗酸化物質は年齢と共に減少していくので、食品で補うことが大切です。

そのため、抗酸化力が高いと言われているビタミンA・C・Eが含まれる食品をとることをおすすめします。

また、やわらかい食べ物ばかり食べていると、フェイスラインの筋力が衰える原因のひとつとなります。

噛み応えのある砂肝やレンコン、リンゴ、ごぼうなどの噛む回数が増える食品もおすすめです。

<ビタミンA・C・E>

■ビタミンA

うなぎ・にんじん・春菊・ほうれん草・かぼちゃ・チンゲン菜等

■ビタミンC

赤パプリカ・ブロッコリー・カリフラワー・ゴーヤ・ピーマン

■ビタミンE

アーモンド・ツナ缶・たらこ・かぼちゃ・うなぎ・アボガド・ほうれん草

4.まとめ

肌のハリはすこやかな肌を目指すうえで、欠かせない要素のひとつです。

肌のハリはコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの成分と表情筋などによって支えられています。

肌のハリを保つためには、日頃からスキンケアや紫外線対策、食事などの生活習慣を正すことが大切です。

いつまでも若々しく健康的に見える潤いとハリツヤのあるすこやかな肌を目指して、お手入れをおこないましょう!